平安時代に流行したお香の使い方とは?|実は貴族には必須だった

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

平安時代のお香

平安時代の雅な文化というと何を思い浮かべますか?

お香の「香司」という資格を取る時に「お香の歴史」というものを学びます。

その時に、紀元前のエジプトからざっと始まるのですが、やはりお香が盛んだった平安時代が
私は印象に深く、えっ?そういうことだったの?という感じでした。

平安時代にお香を焚いていた理由

平安時代の宮中では、香は室内や衣服・頭髪などに香を焚き染めること、貴族が身に着けるべき教養でもありました。
また、身にまとう香りは高貴な人であり、人柄を表すための物でもあったのです。

ただそれだけではなく、やはり時代はまだ平安時代です。
衛生面が整う訳もなく、お風呂やトイレ事情もまだまだ今とは違います。

実は臭いを消す、ごまかす?という一面もあったようです。

「香」は奈良時代は宗教的というか仏事、供養として焚かれていた事が多かったのですが
鑑真和尚が、香の配合の知識や香薬なども伝えたため、だんだんと貴族の間でも香木を知り、
その香りのよさ、調合することで新しい香りを作りそして生活の中へと幅を広げていきました。

平安時代と言えば、やっぱり「源氏物語」や「枕草子」のイメージじゃないですか?

このころは平安時代の中期あたりで、当時のお香と言えば「供香」という仏の前でくゆらすもの、
衣香」衣類に香りをつけるもの、「空薫物(そらだきもの)」室内にくゆらすもの、の3つに分かれていました。

どれも日常生活になくてはならないものになっていました。

しかし、そんなロマンティックなことばかりではなくて、平安時代はまだまだ衛生面もあやしい時代です。

毎日お風呂に入るとこもなければ、髪の毛もどこまでも長い・・・
平安時代の女性の髪はたまにしか洗えず、洗髪した時に香りを髪にしっかりつけたと言われています。
衣類にしても、伏籠という籠のようなものの中にお香を焚き、その上に着物を乗せて着物に匂いを移していました。

体の臭いを分からなくするため、ごまかすためという事もあった用です。

よく、外国の方の体臭は強いので香水でごまかしていると聞くことが多いのですが、それと似ているのかなと思います。

衣類にお香を焚き染めるのも、体臭や貴族の着る着物を洗濯するなんてなかったでしょうから
お香を焚き染め着物に香りを移すというのも一つの対策だったんじゃないでしょうか?

宮中では、自分が作った香りの優劣を競う「薫物合」がはやり、また、オリジナルの香りを衣服に
焚きこめる「薫衣香」も盛んでした。

お香には防腐剤になる香原料もあるので、きっとダニ除けみたいな効果もあったのかなと想像してしまいます。

防虫香をおすすめる理由とは?衣替えの虫食い予防対策に

「枕草子」や「源氏物語」でも頻繁に香りのことが出てきます。
宮人の男性が御簾によりかかり、その残り香に若い女御たちが騒いでいるなんて場面もあるくらいです

平安時代のお香の流行りはこれだった

ちなみにこの時代のお香の主流は「練り香」でした。
練り香は原料を砕いて粉にしたものに、炭の粉末や蜜、他の原料を混ぜて練った物です。

なので自分を表現できるお香を作り、オリジナルのお香で自分をアピール!文と一緒に渡したりしていました。
また、香の原料は大変高価なものなので、練り香は練り合わせてから陶器の入れ物に入れて熟成させるという手間のかかるものでした。

手間暇かかるそんなプレゼントを和歌と一緒に送られたら、女性としては嬉しいですよね。
よく陰陽師の映画や、それこそ大和和紀先生の漫画で源氏物語を書いた「あさきゆめみし」では
その時代の貴族の生活や恋愛事情が描かれていてとても面白いですし参考になります。

平安時代の男女は御簾でお互い顔を合わせる事がなかったので、御簾ごしに聞こえてくる声や香りで
相手の人柄などを想像していたのでしょうね。

ロマンティックな時代ですが、いくらお香が好きでも今を生きる私には衛生面が整っているのが必須条件かなと思います。

タイトルとURLをコピーしました