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お香の歴史に興味がありますか?
実は私はあまりお香の事を知りませんでした。
というか、多分学校の歴史とかで習ったのでしょうが、すっかり忘れていました。
そんな私なのですが、お香の「香司」の資格を取る時に「お香の歴史」というものを学ぶのです。
そこで、なるほど~と思うことや、忘れていた記憶を呼び起こすことになるのですが
お香っていつ頃からあるか想像つきますか?
お香っていつからあるの?
実は、香りの歴史をたどると、5000年前のエジプト文明にさかのぼり、ミイラづくりの防腐剤として香料が使われていました。
すごいですよね。すでに防腐剤たる物が存在しているなんて。さすがエジプト文明!
それだけでなく、お香の香りは悪霊や穢れを祓い清めるのもと考えられていました。
昔の人にとって病気は悪霊の仕業、悪霊を退ける事が病気を治すと考えられていたのです。
神様に仕える神官や僧侶の役割でもあったのが、悪霊退散です。
病気になった人についている悪霊を払うことで、病気が治ると思われていたからです。
なので、防腐剤というのもあったのでしょうが、宗教的というか悪霊がついているから
それを清めるために「香り」というものが使われていたんですね。
ピラミッドの壁画にも、王や神官が神様にお香を捧げる様子が残されています。
良い香りを捧げるという意味もあったでしょうが、神様に香りを捧げて悪霊を払うという側面もあったのですね。
日本にはお香はいつ伝わったの?
日本には、552年に仏教が伝来したころにお香も伝わったと考えられているようです。
日本のお香の記録には、淡路島に流れ着いた大きな流木を薪にして火に着けたとき、香りが一面に
漂ったところ、その香りをかいだ聖徳太子が「沈である」と答えたと言われたらしいです。
この「沈」とは香木の「沈香」のことです。
聖徳太子は本当になんでも知っている方なのですね。
日本でも、香りをいうものは「場を清める」「祓う」ということが考えられてきました。
これはよく日本でも時代劇や映画などで、安倍晴明のような陰陽師が病気平癒のための祈願を
している姿を見たことがあると思います。
大昔は衛生面などが悪く、人々もそういった知識がなかったので、悪霊の仕業と考えられている事が
多かったのかなと思いますが・・・
でも、実際本当に悪霊ということもあったのかもしれませんね。
奈良時代には、鑑真和尚が建築や薬草などさまざまな文化を日本にもたらしたので、香りの文化も進化します。
「薬品・薬草」では、それまでは単体で作られていた薬草を様々な香原料と調合し、
いくつもの香りと合わせて仏前で焚かれるようになりました。
これがきっと仏前で焚くお焼香のようなものだったのかもしれませんね。
また、良い香りは神様に捧げるものとも思われていたようです。
いい香りは、心も体も綺麗に浄化されるような感じがするからかもしれません。
そしてこの香りという文化は、西と東とに分かれ、西はアラビアからヨーロッパ。東はインドで仏教と結びついて中国へ。そして日本へと伝わってお香という文化になったと言われています
ヨーロッパ方面に伝わった方は香水という文化になったそうですよ。
いずれにしろ、大昔のエジプト文明から日本へお香として繋がってくる香りの歴史。
学ぶといろいろな知らないことが学べて面白いな~と思いました。
お香の世界も奥ふかいと感じる所以なのかなと思います。